株式会社 竹内製作所

TCFD 戦略

シナリオ分析のステップ

リスク重要度の評価

気候変動に関するシナリオ群を選定する前工程として、TCFD提言における気候関連リスクの類型を参照し、当社グループの事業に影響する可能性のあるリスクと機会を抽出しました。

※発現時期は以下を示しています。
短期：3年以内
中期：3年超5年以内
長期：5年超

シナリオ群の定義

TCFD提言では、「2℃以下シナリオ分析を含む、様々な気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスについて説明する」ことが求められています。当社のシナリオ分析においては、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）が公表した第6次評価報告書等を参照し、持続可能性を重視した社会経済シナリオである「2℃シナリオ」、及び現行推移シナリオである「4℃シナリオ」を設定しました。また、分析対象とする時間軸は2030年としました。

2℃シナリオ、2030年の世界観（ファイブフォース分析）

脱炭素政策が世界中で強化され、化石燃料・原料の使用に対する規制が強化され、脱炭素に対する消費者意識が高まります。これらは当社グループの事業に対し、原材料コスト増、海運コスト増、開発コスト増、工場設備への投資拡大、低GHG製品の需要増（=ディーゼルエンジン搭載の従来製品の需要減）をもたらします。

4℃シナリオ、2030年の世界観（ファイブフォース分析）

各国の脱炭素政策は不透明で、化石燃料の使用に関する規制は強くありませんが、脱炭素に対する消費者意識の高まりは限定的です。これらは当社グループの事業に対し、自然災害の甚大化によるサプライチェーンの寸断、生産停止による販売機会の逸失、災害復旧工事や防災工事の需要増による売上増加をもたらします。

事業インパクト評価、対応策の定義

ロジックツリーを用いて、気候変動の影響が顕在化する流れと対応策をシナリオごとに整理しました。パリ協定により、世界の平均気温上昇を2℃以下に抑制することが国際社会のコンセンサスとなり、企業による気候変動への対応策に社会的関心、期待が高まっています。気候変動は中長期の時間軸で発生するため、予測の振れ幅が大きく不確実ではあるものの、不確実で幅を持つ未来を受け止め、気候変動が事業に与える影響と対応策を考察し、臨機応変に対応可能なレジリエンス（弾力性、強靭性）を経営に組み入れてまいります。
なお、今回はシナリオ分析の第一段階として、事業影響・財務影響の定量的な算出は行っておりませんが、リスクが顕在化する可能性や時期、顕在化した場合の重要度等を定性的に評価し、影響度を大・中・小に分類しました。

2℃シナリオ、2030年のロジックツリー

4℃シナリオ、2030年のロジックツリー